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執筆者の写真ひろゆき 大石

指定相続や法定相続以外の遺産分割

更新日:2月2日

ここまで、指定相続分法定相続分といった、

被相続人の財産(遺産)を分ける方法、つまり遺産分割の方法を

ご紹介してきました。

この2種類の方法だけでは、本来財産を受け取るべき相続人に、

遺産を分けることができないということで、

他の遺産分割方法も民法には規定されています。

まず、「特別受益(とくべつじゅえき)」についてご紹介し、

次に、「寄与分(きよぶん)」についてご紹介いたします。



まず条文から確認してみましょう。


(特別受益者の相続分)

第903条① 共同相続人に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは整形の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。

② 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。

③ 被相続人が前2項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思に従う。

④ 婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第1高の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推測する。


 第903条①から、特別受益(とくべつじゅえき)とは、

被相続人から共同相続人に対して遺贈された財産および婚姻や養子縁組のため、

または生計の資本として贈与された財産をいうと書かれています。

ゆえに、特別受益は、「①遺贈」と「②婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本としての贈与」だとされています。


「①遺贈」と「②婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本としての贈与」で、

相続以前に、被相続人の財産をもらった相続人は、他の相続人と比べて、

すでに優遇れされているので、相続の際には、相続分から特別受益分を差し引いて、

相続することになります。

この方が、他の相続人とのバランスが取れると考えられています。



次に、「寄与分(きよぶん)」に関する条文です。


(寄与分)

第904条の2① 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第900条から第902

条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。

② 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。

③ 寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。

④ 第2項の請求は、第907条第2項の規定による請求があった場合又は第910条に規定する場合にすることができる。


特別受益とは、正反対の考え方、寄与分の条文を確認しました。

寄与分とは、共同相続人の中に、「被相続人の財産の維持又は増加」について

「特別の寄与」をした者がいる場合に、その寄与を評価し、

この者の相続分を増やすことができる方法です。


具体的には、「①被相続人の事業に関する労務の提供」、

「②被相続人の事業に関する財産上の給付」、「③被相続人の療養看護」などをすると、

相続財産を増やしてもらえる可能性があります。

指定相続分法定相続分といった被相続人の財産(遺産)を分ける方法から、

調整する方法として、特別受益と寄与分を紹介しました。


具体的な相続分の計算は、弁護士や税理士の業務となります。

このブログ記事では、「特別受益」と「寄与分」という用語があり、

相続財産の相続割合を調整する方法があるというのを知っていただければ幸いです。

長い文章をお読みいただき、ありがとうございました。


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